ムカシトンボは生きた化石

「PR」
動物

ムカシトンボは日本の固有種

トンボの分類で、ムカシトンボはトンボ目の中で均翅亜目でも不均翅亜目でもなく、均翅不均翅亜目(ムカシトンボ亜目)という亜目に分類されている特殊な存在です。

ムカシトンボは北海道から九州までほぼ全国に分布しています。

しかし日本以外では近縁種のヒマラヤムカシトンボ がヒマラヤ山脈周辺に、同じく近縁種のEpiophlebia sinensisが中国黒龍江省に分布するのみで、他の地域には分布していません。

これらの3種の遺伝子にほとんど差異がないことから、最終氷期に東アジア一帯に生息していたムカシトンボの祖先が、氷期の終了に伴って各地に遺存した結果、現在の分布を示すようになったと考えられています。

ムカシトンボの生態

山間部の水のきれいな渓流域に生息しています。

成虫が発生するのは全国の平均で4月-6月頃で、渓流域を飛び回ります。

幼虫は渓流域の石につかまって生活しますが、幼虫の期間は5年とも7年ともいわれており、トンボの中でも特に期間が長いです。

さらに羽化前の1ヶ月ほどは、渓流の中ではなく、川岸の湿った落ち葉の下や石の下で過ごします。

私は過去に一度だけ他の人が採集したムカシトンボを見せてもらったことがありますが、尻尾をお腹側ではなく背中側に曲げるのを見て驚いた記憶があります。

それ以来、姿を見ていませんが、もう一度めぐり逢いたいものです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました