南米原産
スクミリンゴガイ(盤足目 リンゴガイ科)南米原産で1981年に日本に持ち込まれました。
別名をジャンボタニシと言いますが、タニシの仲間ではありません。
関東から西日本にかけて分布を広げています。
要注意外来生物
日本へは食用として持ち込まれましたが、需要が思ったほどなく採算が取れないため廃棄されました。
水田に生息して田植え後の若いイネを食害するため、イネの害虫となっています。
また、卵には神経毒が含まれています。
生態系被害防止外来種に指定された1984年以降、廃棄された個体が野生化して分布を広げています。
水田の除草剤として
一方、スクミリンゴガイがイネより水田雑草を好んで食べる性質を利用し、水田の除草手段として利用する動きもありました。
これには均平な代かきと微妙な水管理が必要です。
方法は、稲苗が標的となる田植え直後に水張りをゼロにし、スクミリンゴガイを眠らせます。
その後、1日1mmずつ水深を上げ、雑草の芽を食べさせます。
10日後には一気に5cmの深さにします。
こうすれば、株元が固くなった稲よりも生えてくる雑草を好んで食べてくれるので、除草剤なしで栽培が可能であるとされます。
30日程度が経過すれば雑草の芽がなくてもイネが十分な大きさになるので食べられることはなくなります。
しかし、この行為により生息域が拡大したとの指摘があります。
食用
中国、東南アジアでは食用として広く利用されています。
日本でも一部のレストランでスクミリンゴガイをフランス料理のエスカルゴの代替食材として提供する試みがなされています。
内臓と表面のぬめりには泥臭さがありますが、除去や酢洗いなどを行うことで取り去ることができます。
下処理をすれば臭みが少なく淡白な味で貝としての旨味があり、養殖のエスカルゴに負けない食味を有します。
寄生虫がいることがあるので充分な加熱が必要です。
エスカルゴの代わりに食べてみてください!
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