送電ロスなし「超電導」、伊豆箱根鉄道に導入 

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環境

世界初です

電気を送電ロスなしに電車に送る「超電導送電システム」を伊豆箱根鉄道の一部区間で稼働させるそうです。

営業路線への導入は世界で初めてです。

通常の送電ケーブルでは、電気の一部が熱となって失われる「送電ロス」が生じますが、超電導送電システムはケーブルの素材に冷却すると電気抵抗がゼロになる超電導材料を使うので、送電中の電気が熱に変わらず送電ロスを生じません。

また、超電導送電は電圧が下がりにくいので、電圧維持のための変電所を減らせるため、維持費を大幅に減らせます。

超電導技術の進歩

最初に超電導が発見されたのは 1911 年です。

液体ヘリウム温度(-269℃)まで冷却した水銀の電気抵抗がゼロになることが確認されました。

その後も、ニオブなどの金属系を中心とした超電導現象が発見されましたが、液体ヘリウム(-269℃)での冷却が必要なこと、また液体ヘリウムが高価で、取り扱いが難しいことなどの問題がありました。


しかし、1986 年になって-243℃(30K)付近で超電導状態になるLaBaCuO 系酸化物が IBM 研究所によって発表され、これをきっかけに世界中で銅酸化物超電導の研究が始まり、-180℃(93K)の YBaCuO 系、続いて163℃(110K)の BiSrCaCuO 系が次々と発見されました。

これにより、超電導状態を作り出す冷却媒体として安価な液体窒素(-196℃(77K))が使用可能となり、研究開発が進んでいます。

今回の超電導送電も液体窒素による冷却(−196℃)で実施されています。

このような研究が多方面で進められることを期待します。

(写真はリニアモーターカーです)

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